CFOとは?IPO準備中の企業におけるCFOの役割と求められるスキル


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Uniforce株式会社の専門家をご紹介!IPOコンサルタントの荒木さん

CEOやCFOといったCXOの形を持つ役職名は、コーポレート・ガバナンスが進むアメリカを参考に、2003年の商法改正において経営と執行の分離が進んだことに合わせて日本でも使われ始めました。

これらの役職は必ず会社に必要な呼称ではありませんが、グローバル企業やスタートアップ企業を中心に、よく聞かれるようになりました。

なお、「取締役」は会社法で定められた役職であり、業務執行に関する意思決定を行う上で必須の機能となります。

組織の中でのCFOの立ち位置

CxOの呼称を採用する際の全社的な体系として、まずは組織のトップにCEO(最高経営責任者)がいます。

そしてその下に、COO(最高執行責任者)とCFO(最高財務責任者)が対となる形で置かれることが一般的です。

COOは、実際の工程やコストなどを把握しながら、その企業の経営方針を実現するために組織を統括します。

CFOとは、本来、「フィナンシャル分野の責任者」との意味なのですが、これから管理体制を整えてIPOを目指していこうというフェーズの企業においては、管理部門全体の責任者という捉え方もできます。

CXOという呼称が一般的になる前は、CFOは取締役管理本部長などと呼ばれることが多かった役職です。

CXO役職名の組織図


また、各専門業務に沿って、CTO(最高技術責任者)やCMO(最高マーケティング責任者)など多数の役職名があり、

これらを取り入れることで責務範囲を明確化することができます。

CFOの責務の範囲

CFOの役割や定義については様々な見解がありますが、 未上場企業や中小企業においては、

その役割は管理部門の責任者として位置づけられることが多いです。

従って、一般的には、CFOは下記にあたる部門を管掌する立場となります。

  • 経理
  • 財務
  • 法務
  • 人事
  • 総務
  • 経営企画

CFOを務めるにあたり必ず必要とされる資格はありませんが、公認会計士や税理士の知識は大きなアドバンテージとなるでしょう。

CFOはどのように選任されるか

CFOの選出方法は主に、①社外の人材を採用する、②社内の人材を登用する の2パターンがあります。

それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

① 社外の人材を採用する場合

上場準備に携わった経験があったり、公認会計士の資格をもつ人材をCFOとして採用するケースがよく見られます。

人材紹介会社やリファラルで紹介してもらう方法が一般的です。

--- メリット ---

  • 社外の知識や経験を取り入れることができる
  • 教育や学習のための時間が不要

--- デメリット ---

  • 業務内容の理解や現場とのすり合わせに時間がかかる
  • 報酬が高い(高く設定しないと採用できない)


社外から新たにCFOを採用する場合、報酬の目安として約1000~1500万円を覚悟しておく必要がありそうです。

なお、経験やスキル、採用する地域によっても当該報酬は変動します。

この他に、人材紹介会社を利用した場合は大きな紹介手数料がかかることも考慮する必要があります。

② 社内の人材を選出する場合

社内に適任者がいればCFOとして選任することも可能です。

--- メリット ---

  • 既に事業やカルチャーへの理解がある
  • 採用のための活動やコストが発生しない

--- デメリット ---

  • 教育や学習のための時間が必要

スタートアップ企業のCFOに求められるスキル

上場準備経験や公認会計士資格を持つCFOを迎えることは心強いものですが、

スタートアップ企業のCFOには、経験や知識の他にも次のようなスキルが求められています。

柔軟な姿勢で頭でっかちにならないこと

日々数字やタスクを追いかけるシビアな業務を管掌するCFOですが、

スタートアップ企業ならではの不完全な環境に対する柔軟な姿勢が必要です。

教科書通りに進まない状況にも、頭でっかちにならずに臨機応変に対応する能力が求められます。

業務執行サイドへのリスペクトができること

【IPO準備企業必見】経験者が語るIPO準備の実態とは?」の記事で株式会社Macbee Planet代表の千葉さんが次のようにお話されています。

伝え方も気をつけなければいけなくて、経理や管理部の人たちに「しっかりやってよ」ということを現場ですごく言っていたんだけど、それがハレーションを起こしてしまったことがありました。

現場は収益を上げるために必死になって頑張ってるから、上から目線で指示を出さないように対応するべきだと気づきました。

事業拡大や売上げ増を目指して奮闘しているということを常に配慮できるCFOであれば、より経営陣や社員の信頼を得やすいでしょう。

勉強が苦ではないこと

先にお伝えしたとおり、CFOを務める上で必須となる資格はありません。

しかし、専門的で複雑な業務の遂行をしていくポジションです。

タイトなスケジュールの中でも、常に勉強しながらタスクをクリアしていく能力が求められます。

CEOの頭の中を仕組みに落とせること

IPO準備中のスタートアップの場合、様々な点で仕組み化の途中であることが多いです。

組織に関することや、業務フロー・規程に関することなど、CEOをはじめとする経営陣が思い描くものを仕組みに落とせる能力が求められます。

スタートアップの雰囲気にどうしても馴染めず、就任早々離脱してしまったというCFO経験談も多く聞きます。

スキル面はもちろんのこと、一緒に事業を推進していく仲間として迎え入れることをイメージして、採用・選任を進めることが肝要です。

また、CFOに選任された方、CFOを目指す方にも、組織の一員であることをぜひ意識してほしいと思います。

CFOはいつまでに選任するべきか

体制の構築や仕組み化に必要な期間のことも考えると、N-2期(直前々期)のはじめにはCFOが常駐している状態にしておきたいものです。

IPO達成に向けて、いよいよ業務が大詰めになってくる頃合いでCFO不在のままでは難しい業務も増えてきます。

また、上場後の開示担当取締役が不在のままでは、証券会社からの合格点はもらえません。

CFOが不在であることは、IPO遅延の直接的な理由になります。

N-3期中には選任完了できるよう、早めに動くことが望ましいです。


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IPO達成後のCFOの役割

CFOには、上場準備の過程で整えた管理体制を維持する役割があります。

また、上場後は何百という株主の対応や、決算開示、株主総会の運営などの業務が加わります。

CFOが使用するツールはその企業によって違いますが、会計管理のクラウドツールや反社チェックツールなどを活用して業務を進めます。

上場までに必要な機関設計やIPO達成までのタスクは、エクセルやスプレッドシートで管理されることが多いです。

エクセルやスプレッドシートでの管理は手間がかかる上、ミスが発生しやすい側面もあります。

IPO準備や決算開示のタスク管理用のクラウドツールもありますので、CFOの業務環境の整備や効率化のために検討してみてはいかがでしょうか?



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