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<実録 オフィス移転>スタートアップ企業が実践した手順を時系列で大公開
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<実録 オフィス移転>スタートアップ企業が実践した手順を時系列で大公開
従業員が増えることは、会社の成長を示すバロメーターのひとつです。
また、IPO準備を進める企業では、事業の急成長に合わせて採用を強化するため、
いつの間にかオフィスが手狭になっていることに気づくかもしれません。
今回は、2024年11月5日にオフィス移転が完了したUniforce株式会社の実例をもとに、
オフィス移転の手順と押さえておきたいポイントについて解説します。
解説してくれるのは、移転プロジェクトのリーダーを務めたプロダクトマネージャーの冨田さんです。
IPO準備クラウドは、IPO準備を効率的に進めるだけでなく、複雑な準備業務全体を可視化できるプロダクトです!
社内には多数の会計士や証券会社出身のメンバーが在籍しており、そのようなメンバーの知見や経験をプロダクトに多く反映しているので、
教科書通りのIPO準備ではなく、自社にあったIPO準備を進めることが可能になっています!
オフィス移転のタイミング
Uniforceがオフィス移転に踏み切った理由は大きく2つです。
- 資本業務提携を予定していた会社とオフィスを共有することが決まった(社員が約50名→100名へ)
- 事業の急拡大に伴い、より密なコミュニケーションが必要だと感じる場面が増えた
当時50名の企業規模でハイブリッド出社を採用していましたが、30席ほどあるオフィスが全て埋まるようになりました。
また、ミーティングスペースが2部屋しかなく、昼食時に使用できるような休憩スペースもありませんでした。
資本業務提携により、オフィスを使用する人数が大幅に増えると決まったこともあり、12月の契約更新に合わせてオフィス移転に踏み切りました。
広いスペースを確保することで、普段リモートで働くメンバーもいつでも出社できる環境を提供したいという代表の思いもあったようです。
それでは、移転プロジェクト発足から移転完了までを時系列で見ていきましょう。
3月 移転プロジェクト発足
3月28日に代表の砂田さんより全社にオフィス移転について通達があった後、プロジェクトメンバーが公募されました。
「出社したくなるようなワクワクするオフィスをみんなで作りましょう!」との呼びかけに各部署から13名が立候補しました。
入居先の物件はこうやって決めました
物件は取締役会で決定していたのですが、その際に仲介をお願いしたのが株式会社IPPOさんです。
IPPOさんはスタートアップ・ベンチャー企業を中心にオフィスの移転・退去をサポートしています。
元々お付き合いがあったことはもちろん、次のような理由でIPPOさんにお願いしました。
- スタートアップに特化した事業を展開しており、移転の費用を抑えられる
- 内装業者との連携で、工事日程の管理や管理会社への連絡などスムーズにサポートしてもらえる
こうして、Sansan株式会社さんが使っていたオフィスに居抜きで入居することが決まりました。
株式会社IPPO
IPPOは、「不動産業界の商慣習を再定義し、これからのあたりまえを創る」をミッションに掲げ、オフィス移転コンサルティングを展開。スタートアップ・ベンチャー企業の経営戦略や採用計画に合わせて、最適なオフィス作りを提案し、入居〜退去に至るまでオフィス移転に関わることをノンストップでサポートしています。また、設立当初より居抜き移転も積極的に行っており、多数の事例をもとにトラブルが多い居抜き移転でもスムーズな移転を実現。お客様のコスト・移転期間削減だけでなく、CO2削減にも繋がる移転をご提案しています。
居抜きオフィス情報メディア「ハイッテ」では、スタートアップ・ベンチャー企業に最適な居抜きオフィス・セットアップオフィス情報の掲載の他、お役立ちコラム、オフィス移転事例などを多数掲載。
居抜きオフィス移転によりスタートアップ・ベンチャー企業のコスト削減・スケジュール短縮を行い、オフィス移転の側面から企業成長を支援するだけでなく、居抜き移転によりCO2削減にも取り組み、環境負荷低減を目指します。
4月 キックオフミーティング
13名のプロジェクトメンバーでキックオフミーティングを開催したのが4月2日です。
ミーティングでは、次のことを確認しました。
- いつ、どこへ移転するかの概要を確認
- 経営陣側からのオーダーを共有
- 全体スケジュールを共有
- 担当決め・各役割の確認
全体スケジュールの決め方
まずは、いつから新オフィスに入居(作業)できるかを確認した上で、全体のスケジュールを決めました。
こちらが全体のスケジュールで、キックオフミーティングまでに作成して共有しました。
実際にはここに各支払いのスケジュールと金額も記載されています。
工事スタート日が決まれば、他の作業のスケジュールも逆算できるようになります。
役割の分担方法
次の項目について担当を決めました。
- 全体の進行管理(リーダー)
- 導入システム(電話・来訪システムなど)
- セキュリティ(オフィスセキュリティ全般)
- インターネット回線
- オフィス家具
- 備品(来客用のお茶や家電など)
- コーポレート(法的手続きや取引先への連絡など)
各担当者はいるものの、基本的な進行と決定はリーダー(私)と、上層部との連携に長けた広報担当の2名で行いました。
セキュリティや法的手続きなど、専門知識が必要な部分は各部署のエキスパートと連携しつつも、素早い意思決定をするためです。
オフィスの退去日が先に決まっていたので、その日までに確実に移転が完了する必要がありました。
6月 内装デザインの決定
「出社したくなるワクワクするオフィス」をテーマに、プロジェクトメンバーで内装デザインのアイデアを持ち寄りました。
その中から投票で選んだデザインをベースに、どんな要素を盛り込みたいかを決めていきました。
色味はグレー、ガラスのパーテーションなど、キーワードとしてまとめたものを内装業者に共有してレイアウトを決定しました。
ここで家具の選定を開始しました。
ここまででプロジェクト発足から2ヶ月が経過しています。
9月 工事費用と家具の見積もり
内装工事の内容が決まり、設置する家具の選定が終わった後は、具体的な費用について詰めていきます。
代表の砂田さんがオフィス移転を何度か経験していたため、業者との打ち合わせに同席し、一緒に適正価格を確認することができました。
費用が高くなっている箇所の確認と現状のオフィスの活かせる部分は活かすことで、予算を抑えることができました。
また、支払が一度にに集中しすぎないよう、全体スケジュールに支払い予定も組み込んでいきました。
移転の経験がなく提示金額が適正価格かどうかわからない場合は特に、打ち合わせ時に一つずつ確認していくことをおススメします。
費用が決定したら、内装工事と家具を正式に発注します。
工事に着手するまでに、家具や什器の発注や納品の段取りは完了している状態が望ましいです。
家具によって、内装工事前に搬入したほうがいいものと、工事完了後に搬入したほうがいいものがあるためです。
オフィス移転は1つの商品の数量が大きく、在庫がない場合は入荷まで数ヶ月かかる場合もあるため、早めの発注をオススメします!
9月 引越し業者の手配
旧オフィスの荷物や什器を運ぶ準備もしなければなりません。
ロッカーに置いている私物は、出社のタイミングでダンボールに入れてもらいました。
その他移動が必要なPCモニターや冷蔵庫などと一緒に引越し業者に運んでもらい、新オフィスに出社したときに整理してもらうよう周知しておきました。
また、引越し業者にはあらかじめ移動が必要な物のサイズと数量を次の表のように一覧にし、
どこに搬入するものかを共有しておきました。
サイズを測るのは手間ですが、はじめから正確な見積もりをもらえたり、搬入時に混乱が起きないという利点があります。
現場ではなにかとバタバタするので、事前に共有できる情報は可能な限りお渡ししました。
また、退去後の旧オフィスについても次の入居者が決まらない場合は原状回復の義務が発生することになっていたため、
入居検討中の会社にも何をどれくらい置いていくかの情報を一覧で共有し、検討しやすいように配慮しました。
10月 内装工事開始
10月に入り、内装工事に着手しました。
床の張り替えや天井の塗り直しなど、工事箇所はたくさんありましたが、元のオフィスを最大限活かすようにデザインをしてもらったので、工事は1ヶ月で完了しました。
新たに壁を作ったりなど、大掛かりな工事をした場合は1ヶ月以上かかったと思います。
11月 引越し完了
11月2日の土曜日から週末を使い引越しをしました。
モニターなどの設置も完了し、連休明けの11月5日には通常業務ができる状態にすることができました。
PCメーカーによっては着日指定ができないため、必要な物を期待通りの日程で入手することに少し手間取りました。
内装工事中は旧オフィスと二重で家賃を払うことになるため、なるべく早く移転完了できるような段取りを組みました。
これからオフィス移転のプロジェクトメンバーになる方へ
移転経験があっても、移転準備中の本業務稼働率は50%ほどになってしまいました。
これはリソースの少ないスタートアップにとっては痛手となり得るため、部署内での協力体制が必須です。
スケジュールを共有して、業務が滞りそうなタイミングを見越しての調整をしておきましょう。
オフィス移転はIPO準備と同じく、全体の流れを把握し、期日までに絶対やり切るための段取りが大切ですね。
何度か心が折れそうになると思いますが、頑張ってください。応援しています!
- Writer
Uniforce株式会社 マーケティング部