【IPO準備企業必見】経験者が語るIPO準備の実態とは?Vol.1

2024年7月4日YouTube公開

実際のIPO経験から感じたIPO準備の実態

出演:

砂田 和也
Uniforce株式会社 代表取締役CEO / 公認会計士

有限責任あずさ監査法人で、主に法定監査、IPO支援、 M&A等を担当。その後、2017年税理士法人事務所wimgを設立、続けて2020年8月にUniforce株式会社を設立し、代表取締役に就任。 クライアントの税務顧問として関わる中で、法人内の新規受嘱審査がなかなか通過しない現実にジレンマを抱き、IPOを望むベンチャーに監査法人の監査や上場審査に耐えうる体制整備を支援したいと強く感じていた。それらの課題を解決に導くため「SaaS×コンサルティング」DXサービスを次々に展開。今後も新たなDXサービスを準備中。 2016年公認会計士登録、2017年税理士登録 X  / sunada_uniforce


千葉 知裕
株式会社Macbee Planet 代表取締役社長 / 公認会計士

有限責任あずさ監査法人を経て2018年に上場準備責任者として当社に入社。2021年12月のグループ経営体制への移行を機に代表取締役社長に就任。
メンバー全員が活躍できる組織を目指し、グループ全体の事業、組織づくりを牽引している。 X  / chibatomoh  



アシスタント:

赤穂陽菜乃
Uniforce株式会社 マーケティング部 広報

ユニちゃん
Uniforce株式会社 CUO




砂)
株式会社Macbee Planet代表の千葉さんに、お越しいただきました! よろしくお願いします。


千)
こんにちは!Macbee Planetの代表をしている千葉と申します。 よろしくお願いします。
私は2018年にMacbee Planetにジョインして、1年半後に上場を果たしました。
その約1年後、代表に就任しました。
元々のバックグラウンドは公認会計士です。 IPOのノウハウを含めて、お話できればと思っています!

Macbee Planet代表取締役社長 千葉知裕さん
マクビー千葉さんの元気な挨拶とその声に微笑むUniforce代表砂田


砂)
今回のユニチューブではマクビー上場の立役者である千葉さんに、IPOにまつわる様々なお話を聞いていきたいと思っております!
早速ですが、

上場(IPO)準備中に苦労したことを教えてください。

千)
はい。上場準備中は苦労がつきものです。
その中でも一番最初に苦労するポイントは、上場を目指してなかった会社から上場を目指す会社に、全員が切り替わることだったかなと思います。

例えば、ワークフロー。
稟議体制をつくったり、経理体制をつくったりするために、決算を早期化しないといけないから現場から資料を集めるような、 基本的なところの植え付けがすごく大変でした。


砂)
そのときに、経理部の人たちは各事業部のメンバーに話すでしょ?
意識の改革という点で、成功したことと失敗したことはありますか?


千)
現場の人たちも(IPO準備の実務に)馴染んでないというか、それが必要なことだというのがなかなか定着しないんですよね。
そのときは理解してても、1週間、2週間経つと忘れてしまうので、定期的に伝えていくことが重要だと感じました。

伝え方も気をつけなければいけなくて、経理や管理部の人たちに「しっかりやってよ」ということを現場ですごく言っていたんだけど、
それがハレーションを起こしてしまったことがありました。
現場は収益を上げるために必死になって頑張ってるから、上から目線で指示を出さないように対応するべきだと気づきました。

もし、上場(IPO)準備中に戻れるとしたら、何をしますか?


千)
IPOがしんどかったので、ちょっとあのときには戻りたくないっていうのが大前提なんですけど。(笑)
その上で、管理体制よりはバリュエーションとか株価を構成するために、もう少し工夫しといた方がよかったなというのはあります。

IPO準備期に戻れるとしたらやっておけばよかったと思うこと
IPO準備はとても大変なことのようです...



砂)
しんどかった記憶が一番に出てくるわけですね。
それは、体力的にとかメンタル的にとかいろいろ含まれると思うんですが「しんどかったこと」3つ上げるとしたら何を思い浮かべますか?


千)
CFOというポジションだったのもありますが、上場前ってものすごくやることがたくさんあるんですよね。
通常業務を遂行するために、管理部体制をつくらないといけなかったり、上場審査に向けてやらないといけなかったり、
上場時のバリュエーションをしっかり高められるようにとか。

どんどん仕事が迫ってきて、ずっと追われ続けるみたいなことがありました。
週6.5日くらい働いてました。休みは0.5日。 肉体的にめっちゃしんどいんですよ。

ぎゅうぎゅうのスケジュールにさらに飛び込んでくる予定。これは終わったと思った経験がありますね。(笑)
もしかしたら毎週思ってたかもしれないくらい。


砂)
でも、それをリカバリーして上場にこぎ着けたわけですよね。 どうやって乗り越えたんですか?


千)
当時を思い返すと、リカバリー方法は最終的に「気合いと根性」みたいな感じです。(笑)
そこに至るまでは、業務委託の人たちにもお願いして解消していくって感じかな。


砂)
例えば(上場準備に関する)問題が起きるじゃないですか。
その予防としての統制と、事後に行う対処があると思っていて、おそらく後者が多いと思うんですね。
当時予防統制を引いておけば解消できてたであろう課題は、何割くらいあったと思いますか?


千)
8割くらいですかね。


砂)
おお、そんなあります?
上場準備タスクのスケジューリングに追われてて、日々管理していくわけじゃないですか。
スプレッドシートで管理することが多いと思うんですけど、その資料って毎日見てました?


千)
週1、週2くらいじゃないですかね。


砂)
ですよね。この1週間終わったかなとか、ここまでタスク全部終わってるかなとかっていう確認ですよね?
でも、8割が予防統制で解消できる可能性があったってことですか?


千)
未然に考えておけば8割が防げるんだけど、その問題が起きる確率は非常に低いじゃないですか。
でも、それ(予防統制)に必要なタスクは大量にあるんですよね。
で、スケジュールはすでにパンパンですと。 それはやっぱり無理があるんです。
だからあとは、気持ちを落とさずにリカバリーすることが大事。(笑)


砂)
メンタルが大事ってことですね。


千)
はい、メンタルが大事です。

IPO準備にはメンタルの強さが大事です
CFOにはメンタルのタフさが必要なようです

上場を目指すことが決まって、まず始めたことは何ですか?


千)
前任のCFOが退任されて緊急で私がジョインしました。
なので、前任CFOが既にやってたことと、僕が入ってからやったことを合わせてお話しますね。

まずは、監査法人探しと証券会社探しです。
誰にお願いしたら選定できるのかとか、主幹事証券契約してくれるのかとか、そういうところから始めていきました。


僕たちはウェブマーケティングの会社をやってるんですが、市場的にはレッドオーシャンで、伸びない会社も中にはたくさんあるんですよね。
なので、監査契約してくれないとか、主幹事やってくれないとかはよくある話なので、そこから取り組んみました。


砂)
ブルーオーシャンの会社って、監査法人も主幹証券担当の方たちも、新しい市場だし飛びつきやすいところはありますよね。
例えばクリーンエネルギーの会社だったらすぐ飛びつくけど、コンサルティングの会社が上場しますってなると、
うーんPER(株価収益率)低いよねと言われて主幹事証券難民になってしまうなんてことは、最近言われてますよね。


千)
僕たち監査法人出身なので、この会社めっちゃ伸びそうだなとか、ブルーオーシャンだったらやりたいみたいな気持ちは分かるじゃないですか。


砂)
ありますよね。
僕たち二人ともあずさ監査法人出身で、同じ事業部に所属していたという過去があります。
僕は3年半くらいしかあずさにいなかったので、IPO準備のつらさのところに、すごく深く入り込めた実績って実はないんです。
辞めてからコンサルティングをしたり、お客さまに会うときに、
この事業めちゃめちゃ面白そう楽しそうだなっていうところから サポートしたいなと思うことはあります。

お二人はどうやって仲良くなったんですか?本当に仲良しなの?

Macbee千葉さんとUniforce砂田との出会い
2人の出会いについて聞いていきます!



砂)
お互い会計士であずさ出身だし、7~8個くらい部署がある中で同じ事業部だったのが最初のきっかけかなと思います。
でも、出身も違うし一緒に仕事をしたことは一切なかったです。


千)
喫煙所で喋ってましたね。
砂田は元々リクルートだったんですよ。 監査法人時代。
で、砂田は入社したての頃からリクルートでめっちゃ有名だったんです。
通常の業務はボロボロだった。ボロボロだったのかな。力を入れてなかった可能性があるけどね。


砂)
わからなかったんですよ! (笑)
バイトもしたことなくて、勉強とバスケしかしてこなかったので、仕事の仕方とか業務のフローの理解っていうのが全然追いつかなかった。


千)
ただ、リクルートでめっちゃ人連れてくるから砂田チルドレンはめっちゃ多くて、監査できないのに有名人でしたね。


砂)
たしかにその節はそうでしたね。
2年目にはプロジェクトのリーダークラスを担当してたんですけど、
入社してくる200人くらいの方たちは大体僕の顔と名前を知ってくれていました。


千)
そうそう。 あと、僕たち二人とも東北人なんですよ。


砂)
そう!そう!


千)
東北って監査法人もそんなに多くないから、めっちゃ親近感があったというのもあります。


砂)
千葉さんは宮城出身、僕は山形出身です。
宮城は仙台があって、山形県民は(仙台に)買い物に行くわけですよ。あんな都に住んでた人が近くにいたのが嬉しかったです。


千)
僕は仙台じゃないんで、都出身ではないんですけどね。


砂)
後で知ったんですよ。(笑)


ユニ)
当時と比べて、砂田さんは今も変わってないですか?


千)
今の方が良くないですか? 昔はもっと尖ってましたよ!なんて表現すればいいんでしょうね。


砂)
鼻息が荒い感じだよね。


千)
そう。鼻息が荒い感じ。 荒削り。今も荒削りかもしれないけど。

Uniforce砂田の昔と今
食い気味に答えるユニちゃん。




砂)
いやぁ、もちろん。まだまだ(荒削りです)。
動物で例えるなら牛かブルドッグどっちかっていうね。 イノシシもあるかもね。
真っ直ぐしか行けなくて戻れないみたいなね。はい。(笑)


千葉さんがCFOやってるときにも会わせてもらったりしたし、ご飯ご一緒させてもらってました。
上場のときはたしかお祝い会をした気がする。あれ、してなかったかな。


千)
お祝い会は......。


砂)
はい、ここカット。(笑)


千)
上場前は忙しすぎて、飲みに行ったりとかできなかったんですよ。
上場してからちょっとずつ行けるようになって、Uniforceの構想を持ち始めたくらいのタイミングとかでは会ってました。


砂)
2019年にUniforceの構想を思いついて、いろんな人に相談してました。
マクビーが上場したのが2020年3月だから、1年後ですよ? 上場前に会ってくれてるんですよ!その忙しい最中に。


千)
なるほど。 それがもしかしたら、上場時でやらなくて良かったことの一つかもしれない。


砂)
人のこと考える前に自分のこと考えろと! それは間違いない!!

上場準備中は上場準備に集中しよう
意外な形で「上場準備中にやらなくていいこと」が判明した瞬間



千)

それはある。たしかに。


砂)
よく上場した後とか、M&Aしてイグジットした後の方々って、メンタリングとか付くと思うんですけど、 それはすごくいいことだと思ってます。   ただ、今目先で上場しようと思ってる社長とかCFOが、誰かをメンタリングしてるなんて時間はまずないっていうのはハッキリしてますよね。


千)
それは間違いない。


砂)
あの節はありがとうございました!!


千)
一番記憶が鮮明なうちに、情報を抜き取るのがめちゃくちゃ重要だと思いました。
上場してから1年くらいは、いろんなこと覚えてるんですよ。 それが3年、4年経つと、結構つらいことを忘れちゃってるケースが多くなります。

ファクトだけは覚えてるんですよ。 6.5日働いたとか、上場審査に入るタイミングが1ヶ月遅れたとか。
でも、細かい苦労体験みたいなのは結構薄れてきてるんですよね。

社長に就任したときの時価総額はいくらでしたか?

千)
300億前後くらいでした。


砂)
たった1年で倍にしたじゃないですか。 この辺ってこれからIPOする人たちや、IPOサポートする人たちがすごく知りたいことだと思うんです。


千)
まずCFOとしてやってきたことっていうのが本当に、投資家開拓だったりするんですよ。
しっかり種まきをして、それを刈りきるっていうのが、IRや株価形成上もすごく重要です。
上場したタイミングからは個人投資家の開拓をして、機関投資家の方々の信頼をしっかり獲得しというのを地道に遂行していくのがCFO時代でした。

企業価値最大化をさせるのがCFOのミッションの一つでもあると思うんですけど、それは正直やりきれてないと思っています。
CEOになってから上げたんですけど、CFO時代にもっと頑張っておけば企業価値できたわけですよ。

社長に就任して全体を見るようになって、コーポレートアクションやM&Aとかをさらに加速したりもそうですね。
CFO目線ではなく、企業全体をさらに発展させるためには、もう少しフロントに軸足を置かないといけないと感じました。
オーガニックに成長していかないと企業の未来はなかったりしますよね。


砂)
たしかにおっしゃる通りですね。
その中で、CFO時代に機関投資家だったり個人投資家を増やすために行動されていたと思います。
よく海外の機関投資家に入ってもらえたら安定株主になって時価総額が上がりやすくなるっていう通説があるじゃないですか。
それは事実なんでしょうか?


千)
海外投資家の人たちが入ることによって、全体のポートフォリオが最適化されるというのは間違いなくあると思います。
1社だけ大きいところが入ってる状況よりは、大きいところが一定持っていて、その他の機関投資家も評価してる状況の方が最適かなと。


砂)
やっぱそうですよね。
例えば個人のところも、国内の投資家さんたちに向けてもそうだし、海外の個人投資家さんにもアプローチしたんですか?


千)
個人投資家に関しては、100%日本国内です。


砂)
なるほど。


千)
ただ、東京からオンラインで発信するだけじゃなく、名古屋も行ったし大阪・兵庫とかも結構行きました。
地道に個人投資家説明会に行って、対面で直接話すみたいなのをやってましたね。


砂)
世の中的にはCFOってスマートに見えてると思うけど、泥くさくそういう営業活動してたってことですよね。


千)
めちゃくちゃ地味ですよ。 地道に地道に。


砂)
そうですよね。
国内の機関投資家が、上場した後すぐ大事になってくるのかなと思っています。
リストがもう決まってたりするじゃないですか。
どこどこ証券さんから紹介されて、そこに話に行きますというのを、どのくらい実行したんですか?


千)
機関投資家?


砂)
機関投資家。国内の。


千)
国内はどのくらいだろうな。
何件だったか覚えてないんだけど、大体の規模感で言うと四半期で20から30くらいに会ってました。
新しいところも出てきたり、過去会ってくれてたところが無くなったりとか、1年に1回しか会ってくれないところとかもありました。


砂)
年間で約100件くらいの面談を繰り返した感じですか?


千)
そうそう。 1年目くらいはそのくらいで、今だと結構増えてます。 国内海外両方含めて、四半期で40件くらいかな。


砂)
1.5倍くらい?


千)
(年間)160回くらい会ってる感じです。ただ、株価に反映されないときは一番つらいです。


砂)
何をしたときに反映されなかったみたいな、過去の体験としてありますか?


千)
施策が当たってないかどうかっていうところは結構シビアに見ています。 特に上場直後くらいから1年はモニタリングしてました。


砂)
IPO(上場)準備するまでの間に、どういうコミュニティに属していて、どういうセミナーとか会合に参加していたか教えてもらえますか?
最近って、Next IPO ClubとかIPOスクールとか、そういったセミナーとかコミュニティができてきてるんだけど、どこに行っていいのか分からない人も多いと思っています。
成功者たちはどこに行っていたのかをお聞きしたいです。


千)
うちは、ほぼそういうのに加盟してなくて、個人的に証券会社の方が半分プライベートでやってたCFO会には参加してました。
その他は、証券会社の方伝いとかでIPOしそうな会社のCFOを紹介してもらって個別に会ってました。


砂)
そういうコミュニティ自体が、2019年くらいの当時はなかったんですよね。


千)
そんなに大きいのはなかったかもしれないですね。

その当時あったらよかったなと思うコミュニティってありますか?


千)
IPO前って結構しんどいから、結果としてコミュニティに行く時間がないんです。


砂)
あー、たしかに。


千)
それが結論な気がしてます。
N-3、N-4期のときに、IPO界隈とかIPOを達成したCFO達が集まってるコミュニティに参加するのは重要な気がする。


砂)
そういうコミュニティを僕らがつくったら協力してくれますか?


千)
全然、全然(協力しますよ)。


砂)
言質!
Uniforceはコミュニティを作る会社ではないけど、プロダクトを作りながらプラットフォームとかコミュニティを作って、
参入してきた方々がしっかりバリューを発揮できるようにしていきたいと思っています!

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IPO準備の費用と業務コストを大幅カット!UniforceのIPO準備クラウド