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ショートレビューを制してIPOを制す!スムーズなIPO準備の秘訣

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ショートレビューを制してIPOを制す!
スムーズなIPO準備の秘訣
ショートレビューの目的
\私が解説いたします!ご不明点等、お気軽にお尋ねください/

ショートレビューとは?
株式上場を目指す企業が上場準備の課題を把握するために受ける調査です。
別名「予備調査」や「クイックレビュー」とも呼ばれ、監査法人や公認会計士事務所が行います。
調査期間は、現地での実地調査や企業担当者へのインタビューを含め、通常2日から1週間です。
調査後には約1ヶ月で報告書が提出されることが一般的です。
費用は100万円台から400万円台が目安とされていますが、これは調査の範囲により変わります。
最近では、IPOに特化した新興監査法人にショートレビューを依頼する企業も多く、その場合の費用は200~300万円台が一般的です。
子会社を持つ企業や、海外進出を目指している企業の場合は、費用がやや高くなる可能性があります。
ショートレビューを受けると何がわかる?
ショートレビューは、いわば企業のガバナンスや経営に関する数字の健康診断です。
次の2点において重要です。
1)上場に向けた問題点を明らかにできる
証券会社、監査法人、投資家、証券取引所などから、どのような指摘を受けるかを事前に洗い出すことができます。
その指摘事項を改善していくことで上場に向かっていくことができます。 上場審査を受けるための初期段階です。
2)経営課題の改善に繋げることができる
経営陣が把握しておくべき経営課題はもちろん、全社員で認識するべき課題など、
ショートレビューで指摘された問題点を改善することで、経営課題の改善につながる可能性があります。
実施の時期

一般的には株式上場(IPO)の3期前(N-3期)に実施します。
その理由は、株式上場の審査基準に
「最近2年間の財務諸表等について、監査法人または公認会計士の監査等を受けていること」が含まれているためです。
つまり、上場申請の直前2期分の監査法人による監査証明が必要となります。
着々と準備を進めている企業でも、ショートレビューの結果50~100の項目について指摘されるのが現状です。
ショートレビューで課題が見つかり、その改善に時間がかかる場合は1期、2期と上場申請のタイミングが先送りになる可能性があります。
市場の状況を鑑みて上場時期を決定した場合も、その機を逃してしまうことになります。
ぜひ、N-4期以前から少しずつ準備・対応を始め、N-3期の2Qを目安にショートレビューを受けることをおすすめします。
ショートレビューの基礎知識
どのような流れで行われるのか?

ショートレビューはこのような流れで実施されます。
一般的に1〜3週間で完了しますが、企業規模や調査対象によっても変わります。
必要書類にはどんなものがある?

これらは必要書類の一部です。
書類が点在して、必要書類がどこにあるかわからないということがないように、 保管の効率性を考えておきたいところです。
会社法に則しているかなど、ショートレビューでは企業全体のチェックをしてもらいましょう。
早めに洗い出すことで対応する時間を確保することができます。
経営計画書・事業計画書は、できれば3年分の予実表を用意しておきたいところです。
最近では、監査法人も証券会社もKPIを確認するようになりました。
KPIを管理できる状態にしておきましょう。
決算書、事業報告書、税務申告書、勘定科目内訳書のうち、事業報告書以外は基本的に税理士から入手することができます。
優先的に整備しておきたい事項
① 会計処理の根拠資料は検証可能な状態か
会計ソフトなどに入力されている内容に対して、エビデンスが添えられているか(すぐチェックできる状態にあるか)を見られます。
請求書や領収書、契約書がすぐに提示できる状態にしておきましょう。
② 会計処理の根拠資料は網羅的に保管されているか
① のエビデンスについて、漏れなく保管されているかを見られます。
手元にない場合は、その理由について聞かれることになります。
再度発行できるものは早めに手配しておきましょう。
③ 内容の不明な残高が勘定科目内訳に残っていないか
前払金や仮払金など、内容が不明な残高については必ずヒアリングされます。
雑費・雑損失なども含まれます。 きれいにしておきましょう。
④ 発生主義で会計処理を行うために必要な情報は収集できているか
多くの企業が現金主義での会計処理を行っていると思います。
そこを発生主義会計※ にしていく必要があります。
※実際の入金時点ではなく、取引が発生した時点で計上する方法
指摘事項の具体例・対策方法
ショートレビューで散見される問題点
経理管理体制の甘さ
ショートレビューでは、特に経理・会計について厳格にチェックされます。
上場を目指す場合は、以下の点に注意して経理処理を整えることを推奨します。

これらの改善は、上場審査を円滑に進めるためにとても重要です。
経理処理の正確性と透明性を高め、上場企業としての基準に適合させることが求められます。
専門性の高い部分も多いので、税理士やBPOなど、専門家の力を借りながら整備していくことも検討しましょう。
経営管理機能の外部委託
上場審査において、アウトソーシング自体は直ちに問題視されることはありませんが、
例えば総務・経理部門の一部をアウトソーシングする場合でも、以下の点が見られます。
<正確性と秘密保持/情報取得責任者の存在と責任の明確化>
経営管理機能の中でも、総務部などの株主総会や取締役会を管轄している部署の場合、
会社の意思決定が外部に知られてしまうことになります。
そこから情報漏洩が起きると、それはアウトソーシングを利用している企業側の責任です。
株主に損害を与えてしまうことになるので、情報の管理にはくれぐれも注意しましょう。
<自社での資料分析体制>
経営における分析体制ができているかを見られます。
経営資料や株主報告資料などを作成できる体制を整える必要があります。
従業員の管理(未払いの残業代の有無等)
従業員の管理方法もショートレビューで重要なチェックポイントです。

従業員の管理が適切であり、法令遵守が確保されていると示すことが重要です。
人材確保
上場準備において、会計処理に詳しい経理・財務担当やCFO、内部監査担当者が不足している場合、次の対策が必要です。

これらの措置を講じることで、上場準備をスムーズに進めることができ、
経営の健全性と持続可能な成長を支える体制が整います。
コンプライアンス体制
上場を目指す場合、以下の点に注意してコンプライアンス体制を整える必要があります。

上場に向けた準備を法的・倫理的にしっかりと整えることで、投資家や市場からの信頼を得ることができます。
ショートレビューを受ける心構え
上場を目指す場合、ショートレビューは必須です。
指摘された点を改善し、上場の監査に向けて準備を整えることが重要です。
しかし、上場すれば終わりではありません。
引き続き、継続的な成長を目指して、業務の改善や健全化を進めていきます。
本番の前に活用できる!ユニチェックで課題の洗い出しを
N-3期~N-4期の企業が、実際のショートレビューに臨む前に課題の洗い出しを行い、
事前に対策をしておくことができるサービス「ユニチェック」を提供しています。

また、ショートレビュー後に指摘された項目をもとに、課題解決のためのロードマップを作成することもできます。
会計士がサポートしながら、改善方法のマニュアル化や事例の共有を行うことが可能です。
N-2期以降の遅延リスクを大幅に軽減するために、ご利用企業が増えています。
ご興味ある方は、お問い合わせください。

- Writer
Uniforce株式会社 マーケティング部