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IPO直前で慌てないための稟議制度づくり<稟議制度の精緻化編>

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IPO直前で慌てないための稟議制度づくり
<稟議制度の精緻化編>

稟議制度はなんのため?目的とIPO準備における重要性を確認
継続企業の前提※という観点において、稟議制度は重要な役割を果たしています。
※継続企業の前提:その企業が将来にわたって事業を継続することを前提とする考え(ゴーイング・コンサーン)
その目的には次のようなものがあります。
- 売る人、作る人、サポートする人の役割を決めて業務を円滑にする
- 事業の持続性、継続性を保つための体制構築をする
- 事業の基盤となる仕組みづくりをする
早い段階で稟議制度を整えることのメリット
ルールを決めるのが面倒だったり、事業スピードが落ちたような感覚になったりすることもあるかもしれません。
しかし、 早い段階で稟議制度を整えることで、実態としては事業スピードは速くなります。
これは、稟議の巻き戻しによる余計な業務が発生しないためです。
残念ながら稟議制度の重要性について理解していない企業も多いです。
その場合、上場準備のN-2期以降に監査法人・証券会社から稟議制度の精緻化不足を指摘されて、やっと再構築・運用を始めることになります。
その頃にはすでにIPO準備のいろんなタスクが発生していて、時間も人手も足りないという状況に陥ってしまいます。
まずはN-3期、N-4期あたりから、稟議制度のルールを少しずつ作っていくという意識を持ちましょう。
事業内容や企業規模で稟議制度の作り方は違うのか?
事業内容によって、稟議制度の作り方は変わってくるでしょう。
しかし、より大事になってくるのは、その「深度」です。
例えばシード・アーリー期の企業にはその事業部にメンバーが1人しかいないこともあります。
1人体制の事業部で稟議制度を作って運用しようとしても、コストだけがかかり、結局自己申請・自己承認の状態になってしまいます。
まずはすでに複数人所属している事業部の稟議制度から取り組むのが適切です。
ミドル期、レイター期と進んでいき、IPO準備もN-2〜N-1期に差し掛かったときには、 全ての事業部に対して統制を入れていかなければいけないという認識を持っておくとよいです。
この進め方については、社内で検討したり、コンサルタントや影響度が高い未上場時における株主と相談しながら決めていくと、統制を実効性があるものにしていけるでしょう。
稟議制度はここをチェックしよう
- 適切な権限と責任の委譲が行われており、職務分掌*が明確になっているか。
- 稟議書の様式は全社統一されたものになっているか。
- 事後稟議になっていないか。
- 稟議の管理(受付)部門が定められているか。
- 記載事項の漏れや必要添付書類の有無の確認が行われているか。
- 稟議の決裁の進捗状況を管理できる体制となっているか。
※職務分掌については、こちらの記事内の「2. 組織内の兼務について」をご覧ください。
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規程通りに運用されているかも重要なポイントになります!
少しでも不安な点があれば、専門家に相談されることをおすすめします。
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- Writer
Uniforce株式会社 マーケティング部
- Interview
Uniforce株式会社 代表取締役CEO
公認会計士 砂田 和也