資金調達に必要なピッチ資料作成のコツを解説します!

スタートアップのIPO準備:資金調達は必要?


潤沢な自己資金がある稀なケースを除き、スタートアップにとって資金調達は事業を大きくするために重要なプロセスです。
しかし、事業運営資金を得ることだけが資金調達をする理由とは限りません。
スタートアップがIPOを目指す場合には、資金調達をすることで、会社の価値や社会的な信用度を高めるという側面的作用もあります。

資金調達の種類にはどんなものがある?

一言で資金調達と言っても、その手法は様々です。
それぞれのステージや事業内容によっても、調達方法や調達額は変わってきます。
資金調達には、例えば次のようなものがあります。

  • エクイティファイナンス(出資)
  • デットファイナンス(負債)
  • アセットファイナンス(資産売却)
  • クラウドファンディング
  • ポジティブインパクトファイナンス(PIF)
  • 補助金・助成金 など


資金調達の手法は違っても、スタートアップ企業が避けて通れないことが共通して1つあります。
それは、投資家に事業説明をするための資料作りです。



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銀行が融資先の事業力評価で求める資料


どのような資金調達を目指すかで、必要な資料や書類は異なります。
銀行が融資先である例で解説します。
その際にスタートアップ企業が用意するのは、次のようなものです。

銀行が融資先の事業力評価で求める資料

資金調達に動き出したタイミングでは、全ての資料が揃っている必要はありません。
6ヶ月以内で揃えるよう目処を立てておきましょう。


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起業家を悩ませる「ピッチ資料」


資金調達におけるピッチとは、投資家やベンチャーキャピタルへ向けたプレゼンテーションのことです。
投資家に会社の将来性を理解してもらい、出資したいと思ってもらうことが目的です。
投資家を引きつけるためのピッチ資料は、次のような情報を盛り込むのが一般的です。

  • 事業の概要(理念、ビジョン)
  • 事業内容やコンセプト
  • 創業者のプロフィール
  • 事業の強みと弱み、競合や市場規模、ニーズ
  • サービスや商品の概要(仕入れ先など)
  • 販売戦略、財務計画


しかし、ただ情報を並べればよいというわけではありません。
必要となるのは、ピッチ資料全体で表現するストーリーです。
これをエクイティストーリーと呼ぶことがあります。

投資家を引きつけるピッチ資料の作り方


先に述べたように、投資家を引きつけるピッチ資料には、理念やビジョン、事業の強みなどで構成することがおすすめです。
特にスタートアップにとっては、資金調達やパートナーシップの構築における大事な一歩となる可能性があります。

しかし、ただビジネスプランをピッチ資料に羅列するだけでは不十分です。

投資したいと思ってもらうには、単なる文書ではなく、企業の価値を最大限に引き立てるストーリーとして表現することが求められます。
どのようにピッチ資料内の情報を構成し、どの情報を強調すべきか。
これらのポイントを理解することが、資金調達成功への鍵とも言えます。

<プロ直伝>
Uniforce CDO 坂尾さんに聞いた!

IPO準備企業がピッチ資料でこだわるべきポイント

Uniforce株式会社CDO坂尾さん

資料全体のおすすめボリュームは20ページ程度


会社の紹介から今後の事業展開まで網羅した上で、20ページに収まるくらいのボリュームをひとつの目安としましょう。
VCや投資家は、日々多くの起業家と会っています。短い時間の中で、投資の判断をしていかなくてはいけません。
大体、1社にかける時間は30分程度なので、その時間で十分に読み切れるように構成することをおすすめします。

ピッチ資料全体の流れ(例)


ピッチ資料のおすすめの構成


市場規模を先に説明するなど、スピーカーが自然に話せるような流れに変えて問題ありません。

ドラマチックに話せる起業家もいれば、整然と話すことが合う起業家もいます。
全体の流れを通してみたときに、言葉に詰まったり違和感を覚えるようであれば、順番を入れ替えてみてください。
ただし、後述しますが、MVVは冒頭に持ってくることをおすすめします。

シードステージで問われる「人間性」
ミドルステージ以降でより厳しくチェックされる「蓋然性」


まだまだこれからビジネスをつくっていこうという段階での資金調達においては、 その人の事業に対する熱量を判断材料にするVCが多いように感じます。
「困っている人がたくさんいる。それを変えられるのは私しかいないんです!」という熱量です。

むしろ、時流に乗った手堅いビジネスより、
熱い想いを持った、唯一無二のゲームチェンジャー に会いたがっていると感じます。


投資家だから、リターンの確実性を重視しそうなものですよね。
シードステージという不確実性ばかりのスタートアップへの投資は、実はそういう「人間性」で判断されるケースが少なくないのです。

事業が成長し、ステージが進んでいくに従い、重要度が増すのが事業の「蓋然性」です。
資金調達のピッチでは、事業の成長予測について、それが本当に実現し得るかの根拠を求められます。

特に相手が銀行の場合は、その傾向がより強いです。
事業や部署ごとに分けて細かく資料に落とし込む必要も出てくるでしょう。

ピッチが誰に向けてのものなのかで、資料やプレゼンテーションの内容は変える必要があります。

大事にしたいMVV


多くの企業にはM(ミッション)、V(ビジョン)、V(バリュー)が掲げられています。

MVVには、その企業の信念が盛り込まれており、社員のモチベーションを高めたり、社外へのブランディングなど、複数の効果や目的があります。

なにより、未来に向けて仲間と一緒に目標を達成しようとする意思が、MVVに表れるものだと思っています。

VC、CVC、個人投資家などへの資金調達のピッチにおいては、資料の冒頭でMVVをしっかりと解説しましょう。このMVVが投資家に刺さるかどうかで、結果が大きく変わってくる大変重要な部分だからです。

MVVに表現された起業の理由から、起業家の「人間性」を見ています。
どんな想いで、どれほどの熱量で事業を推し進めていきたいのかを伝えるチャンスとなります。
資料は2-3ページですが、プレゼン時間は最低3-5分を確保しましょう。

経営者だけでMVVをつくるのは至難の業


自分がど真ん中にいる組織のMVVを考えるのは、なかなか難しいものです。
自分自身のことなのか、法人格なのか、はたまた社外の誰かを巻き込んだミッションなのか、など。
どの視点でつくればいいのか、わからなくなってしまう方をたくさん見てきました。

他にも創業メンバーがいる場合、それぞれの想いを丁度よく配合するのも至難の業です。
競合がいる場合、「もっと差別化して、新しいものを」と意識してしまう。

そんなことを考えているうちに、一番大切にしたいはずのものを見失うこともあります。
経営者が自分1人でMVVをつくろうとしたときに直面しがちなことですね。

だから、第三者が立ち会って、MVVをつくることには大いに意味があります。


なにを乗り越えて(過去)
なぜ今起業して(現在)
なにを達成しようとしているのか(未来)

幼少期から今までの経営者の人生を辿りながら、流行り廃りに関わらず、ずっと掲げていきたいMVVをつくっていきます。

デザインの温度感はぜひ確認を

ビジネス資料作成サービスのビフォーアフター


綺麗に整った資料は、読み手を飽きさせないことや、内容をより理解しやすくするのに貢献します。

しかし、気をつけたいのは温度感です。
MVVの言葉に対して、そのデザインの温度感が合っているかはぜひ確認をしてください。
その整合性が取れると、ピッチ資料の威力は格段に上がります。

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