KNOWLEDGE
IPO準備も上場企業も必見のリスク対策(1)〜情報漏洩〜

- IPO準備
- 目次[]
- 企業の重要情報が流出する脅威
- 株価への影響や企業イメージ低下の脅威
- 信頼性の喪失
- ブランドイメージの悪化
- 社員の士気低下
- 新規採用の難航
- 法的問題
- 株価の下落
- 情報漏洩の主な原因と発生場所
- (1)内部関係者による意図的な漏洩
- (2)外部の不正アクセスによる漏洩
- (3)社内システムや通信経路での漏洩
- (4)書類の置き忘れなどヒューマンエラーによる情報漏洩
- 情報漏洩リスク対策の7つのポイント
- 1)社内教育と意識向上
- 2)情報管理体制と規程の整備
- 3)システムセキュリティ強化
- 4)外部委託先の管理徹底
- 5)物理的セキュリティ対策
- 6)インシデント対応体制の構築
- 7)継続的な点検と改善
- IPO準備クラウドなら、情報漏洩リスク対策に今必要なタスクがわかる!
IPO準備における情報漏洩リスク
IPO準備のプロセスでは、企業の極秘情報が数多く扱われます。
IPO準備における情報漏洩リスクとは、こうした重要な企業情報が外部に漏れ出すことで、次の2点の脅威が生じる可能性があることを指します。
企業の重要情報が流出する脅威
IPO関連情報には、事業計画や財務データなど企業の機密情報が含まれます。
これらが漏れると企業に多大な損害が及ぶ恐れがあります。

漏洩リスクの例:
- 企業買収の標的になる
- 競争力が低下する
- 知的財産が流出する
- 行政指導などによる業務の一時停止
株価への影響や企業イメージ低下の脅威
株式公開後、重要情報が漏洩すれば株価に悪影響を及ぼします。
また、情報管理が疎かと見なされ、企業イメージが損なわれるリスクもあります。
情報漏洩が発覚した場合、次のような企業イメージの低下が懸念されます。
信頼性の喪失
- 顧客や取引先からの信頼が損なわれ、企業の信用力が低下します。
- 特に顧客情報が漏洩した場合、顧客の不信感を招き、離反や訴訟のリスクが高まります。
- 顧客が他の信頼できる企業に流れる可能性が高まります。
ブランドイメージの悪化
- 企業のブランド価値が損なわれ、長期的なブランドイメージに悪影響を及ぼします。
- マスメディアやSNSでのネガティブな報道や口コミが広まり、ブランドの評判が著しく低下します。
社員の士気低下
- 社内での信頼感が損なわれ、社員の士気やモチベーションが低下する可能性があります。
- 特に情報管理に関わる部署や社員に対するプレッシャーが増大し、労働環境が悪化する可能性があります。
新規採用の難航
- 情報漏洩の影響で企業のイメージが悪化し、優秀な人材の採用が難しくなる可能性があります。
- 社員の定着率が低下し、人材流出のリスクも高まります。
法的問題
- 情報漏洩に対する法的責任が問われ、訴訟や罰金のリスクが生じます。
- コンプライアンスの問題が浮き彫りになり、法的・規制的な制裁を受ける可能性があります。
株価の下落
- 上場企業の場合、投資家の信頼を失い、株価が急落する可能性があります。
- 株主からのクレームや訴訟リスクも増大します。
このように、IPO準備段階での情報漏洩は、単に機密情報の流出にとどまらず、上場後の企業経営にも深刻な影響を及ぼします。
情報漏洩の主な原因と発生場所
情報漏洩の主な原因と発生場所は、大きく以下の3つに分けられます。
以前は、紙の書類やUSBメモリの置き忘れなどが、主な情報漏洩の原因でした。
デジタル化が進み、内容は以下のように変化しています。
(1)内部関係者による意図的な漏洩
企業の重要情報にアクセスできる社員や役員など、内部関係者による意図的な漏洩が最大の脅威です。
個人の利益追求や不満からの報復行為などが背景にあります。
理由としては以下のようなケースが考えられます。

(2)外部の不正アクセスによる漏洩
システムに対する外部からの不正アクセスなど、サイバー攻撃の手口は年々高度化しており、
重要情報を窃取・漏洩する危険性があります。

(3)社内システムや通信経路での漏洩
社内システムやネットワーク通信経路における脆弱性を放置しておくと、重要情報が意図せずして漏洩するリスクが高まります。

(4)書類の置き忘れなどヒューマンエラーによる情報漏洩
ヒューマンエラーによる情報漏洩も大きなリスクです。 主な原因としては以下が挙げられます。
- 重要書類や記録媒体の置き忘れ・紛失
- 社内印刷物の適切な廃棄漏れ
- 個人所有の端末やクラウドへのデータ保存
- メールや会議資料の誤送信
ヒューマンエラーは、不正アクセスの次に多い情報漏洩リスクです。
情報漏洩リスク対策の7つのポイント
1)社内教育と意識向上
従業員一人ひとりが、情報漏洩リスクの重大性を理解することが重要です。
定期的な研修の実施や、マニュアルの配布によって情報セキュリティへの意識を高めましょう。
定期的な周知によって、下記のことを徹底します。
- 企業機密情報や重要情報の取り扱いルール
- 情報漏洩が及ぼす影響と損害の理解
- 情報セキュリティに関する基本知識

イントラネットなどを活用し、日常的に意識を高める働きかけも重要です。
情報漏洩リスクを常に意識した企業文化の醸成が不可欠となります。
2)情報管理体制と規程の整備
情報の取り扱いルールを文書化し、社内に周知徹底します。
機密情報のアクセス権限を適切に設定し、情報の重要度に応じた管理体制を整備します。
具体的には以下の対策が求められます。
- 情報管理規程の制定
機密情報の取り扱い方法、責任者、罰則などを明文化した規程を策定します。
IT関係では「情報セキュリティ規定」、コンプライアンス関係では「個人情報管理規定」などがあります。
こちらも参考になるかも?

- 情報セキュリティ委員会の設置
各部門の責任者で構成される委員会を設置し、組織内の情報セキュリティに関する調整と意思統一を目指します。 情報システムや法務、総務、人事など関連の深い部署からもメンバーが参画します。 - 社内教育の実施
規程の周知徹底や、セキュリティ意識向上のための研修を定期的に実施します。
このように、トップダウンで情報管理体制を整備することで、IPO準備期間中の重要情報を守ることができます。
3)システムセキュリティ強化
コンピュータウイルス対策、アクセス制限、暗号化など、ITシステムのセキュリティ対策を徹底します。
IPO準備期間中、社内で扱われる機密情報は極めて重要です。
そのため、情報漏洩リスクを最小限に抑えるためには、社内システムのセキュリティ強化が不可欠となります。
まず、全てのシステムに対して脆弱性診断を実施し、不備がある場合には適切に対策を講じる必要があります。
次に、以下のようなシステム面での強化策を講じましょう。
- パスワードポリシーの厳格化
- アクセス制限の設定
- データの暗号化処理
- システムログの監視
- マルウェア対策の強化
さらに、社内ネットワークの分離や通信の暗号化など、ネットワークセキュリティ対策も重要です。
加えて、外部からの不正アクセスを検知・防御する体制の構築も欠かせません。
このように、システム面での多層的な対策を講じることで、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えることができます。
4)外部委託先の管理徹底
IPO準備では、様々な業務を外部委託先に委託することもあるでしょう。
しかし、委託先の企業にも重要情報が共有されるため、情報漏洩リスクが高まります。
そのため、外部委託先の管理を徹底する必要があります。
まず、委託先企業の情報管理体制を事前に確認し、セキュリティ対策が十分であることを確認しましょう。
確認事項の例:
- 情報管理規程の有無
- セキュリティ教育の実施状況
- システムのセキュリティ水準
- 委託作業の内容と範囲
契約時には、守秘義務や情報取扱いのルールを明確化ます。
さらに、委託作業期間中も定期的に監査を行い、ルール順守状況を確認する必要があります。
委託先における情報漏洩リスクを低減させ、IPO準備をスムーズに進めるためにも、外部委託先の管理は重要なポイントです。
5)物理的セキュリティ対策
入退室管理、施錠設備、監視カメラの設置など、物理的な対策も必要です。
IPO準備では極秘情報が多数発生するため、物理的なセキュリティ対策が重要です。
まずは入退館管理の徹底が求められます。
ICカードやバイオ認証システムなどを導入し、入室可能者を制限する必要があります。
また、重要な会議や書類の保管場所についても、施錠管理と入室制限を行います。
書類は施錠できる場所に保管し、会議室を使用しない時間は施錠しましょう。
さらに、重要情報が含まれた書類やPCの持ち出し規制も重要です。以下の対策が考えられます。
- 書類の社外持ち出し原則禁止
- 社外持ち出し時の申請と記録
- PCの社外持ち出し制限と暗号化
このように、物理的なセキュリティ対策を多面的に講じることが大切です。
6)インシデント対応体制の構築
万が一の情報漏洩に備え、初動対応から復旧までの手順を定めた対応計画を策定しておきます。
情報漏洩などのインシデントが発生した場合、迅速な対応が何よりも重要です。
そのため、事前にインシデント対応体制を整備しておく必要があります。
まず、以下のような役割を担う対応チームを編成します。

次に、インシデントの切り分けルールと対応手順を明確化しておきます。
インシデントレベルに応じた初動対応から完全復旧までのフローを定めることで、混乱を最小限に抑えられます。
7)継続的な点検と改善
定期的な監査やリスク評価を行い、セキュリティ対策の改善を続けていきます。
情報漏洩リスク対策は一過性のものではありません。
企業を取り巻く環境は常に変化しており、新たな脅威が発生する可能性があります。
そのため、対策の有効性を定期的に点検し、必要に応じて改善を行うことが重要です。

このように、PDCAサイクルを確立し、継続的に情報セキュリティ対策のレベルを高めていくことが求められます。
IPO準備期間中に限らず、上場後も長期的な視点で対策を講じることが、企業の信頼性向上につながるでしょう。
情報漏洩については、様々な角度から管理をしていく必要があります。
特にIPO準備企業は、リソースが少ない中で体制を整えていかなければいけません。
網羅的に整備を進めるために、適切なツールや専門家の活用も検討しましょう。
IPO準備クラウドなら、情報漏洩リスク対策に今必要なタスクがわかる!


- Writer
Uniforce株式会社 マーケティング部





