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株主総会とは? スタートアップ企業も知っておくべき基本情報

- IPO準備
株主総会とは? スタートアップ企業が知っておくべき基本情報
\私が解説します!/

株主総会は、会社法で定められた株式会社の最高意思決定機関であり、会社の重要事項を決議する場です。
スタートアップ企業にとって株主総会は、意思決定機関であると同時に、株主との対話を通じて企業価値を高めていく欠かせない機会となります。
うっかり実施を忘れてしまったり、しかるべきタイミングで開催できていない場合や正しい方法で決議できていない場合、後々取り返しのつかない事態に陥ったり、膨大な時間を費やし、遡って修正することになることがほとんどです。
ルールを把握し、上場を目指す会社もそうでない会社も、必ず創業1期目から適切な開催と運用を心掛けましょう。
株主総会とは?
株主総会とは、株式会社の株主によって構成される会議体であり、会社法第295条で株式会社の最高意思決定機関と位置づけられています。
また、株式会社は必ず設置する必要がある機関です。

定時株主総会と臨時株主総会の2種類があり、会社の重要事項が審議・決議されます。
定時株主総会は、事業年度が終わってから3ヶ月以内に開催が義務付けられている株主総会です。
一方、臨時株主総会は、必要に応じて随時開催される株主総会です。
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株主総会の目的
株主総会の主な目的は以下の3つです。
- 会社の重要事項の決議
- 株主への報告
- 株主と経営陣の対話の場
株主総会では、役員の選任・解任、定款の変更、資本政策の決定、計算書類の承認など、会社の重要事項が審議・決議されます。
また、株主総会は、経営陣から株主に対して事業の状況や今後の方針を報告する場でもあります。
特にスタートアップ企業においては、株主総会を通じて株主と信頼関係を築き、経営に対する理解と支持を得ることが重要です。
株主総会は、スタートアップ企業の成長と企業価値向上に向けた重要な一歩となるのです。
どうやって招集する?
株主総会は開催の一週間前(公開会社の場合は二週間前)までに、株主に招集通知を送付します。
もしくは定款にその期間を定めている場合は、そちらに準じます。
通常は電子メールや書面で通知を行いますが、株主全員の同意があれば、この招集手続きを省略することもできます。
※省略ができないケースもあるため、専門家にご確認ください。

招集時に決めておくことは?
株主総会の招集を行う際は、次の項目も伝えましょう。
- 株主総会の日時および場所
- 株主総会の目的
- 出席しない株主の議決権行使の方法、等
株主総会を実施しないとどうなる?
定時株主総会は毎年実施するものなので、多くの会社が認識しています。
(外部への提出資料として求められてから、慌てて開催書面をしれっと作成する会社も多いですが…)
しかし、臨時株主総会を実施すべきタイミングをうっかり失念してしまうケースもあるかもしれません。
議事録の記載間違いなどであれば、簡易的に修正できる可能性はあります。
決議漏れや、不適切な手続き(決議の前後で定められた期間を確保していない等)があった場合には、弁護士や司法書士などを巻き込んで、決議の効力の有無確認や、過去の資料探し、決議のやり直し、書類の作成し直しなど、想像していないような大変な事態になってしまうこともあります。
余計な費用が発生することにもなりますので、創業の1日目から、株主総会での決議が必要な決定かどうかを確認しながら企業経営を進めていきましょう。
(特に、役員の選任・解任と、増資・譲渡などの資本政策にはご注意を!)
株主総会の決議が必要なケース
- 取締役の選任・解任
取締役に欠員が生じた場合や、取締役の解任が必要になった場合に、
臨時株主総会を開催して新たな取締役を選任したり、取締役を解任したりします。 - 定款変更
事業年度の途中で定款変更の必要性が生じた場合、臨時株主総会を開催して定款変更の決議を行います。 - 合併、会社分割、事業譲渡等の組織再編
会社の合併、分割、事業譲渡などの組織再編を行う場合、株主総会の特別決議が必要です。
これらの案件が事業年度の途中で生じた場合、臨時株主総会を開催して決議を行います。 - 資本金の増減
事業年度の途中で資本金の増減が必要になった場合、臨時株主総会を開催して決議を行います。 - その他の重要事項
上記以外にも、会社法や定款で株主総会の決議が必要とされている事項について、
定時株主総会を待たずに決議が必要な場合は、臨時株主総会を開催します。
新規株式上場、出資、融資、M&Aなど、企業成長のための大きなコーポレートアクションを実行するときに、これら株主総会資料の未整備が発覚することが少なくありません。
いざというときに慌てないよう、適切に必要資料を管理することや、不明点を専門家に聞ける環境をつくっておくことが大切です。

- Writer
Uniforce株式会社 マーケティング部
- Interview
Uniforce株式会社 荒木 賢治